けんしんのこと
けんしんは私の一番最初の甥だ。
32歳の時に23歳の男性と結婚した姉の、一番最初の男の子。
あかちゃんのときから、ずっと笑ってたけんしん。
いつも、どの表情もちょっと笑ってる。
あかちゃんのときに
「ばかそうだけど、なんかいいやつになりそうだね。」
と言ったらお姉ちゃんに睨まれた記憶がある。
九州のいなかでは
「けんしんくんは、幸せでしょおおんなかとやろ〜」
と言われてみんなのことも笑顔にしたけんしん
と言ったらお姉ちゃんに睨まれた記憶がある。
九州のいなかでは
「けんしんくんは、幸せでしょおおんなかとやろ〜」
と言われてみんなのことも笑顔にしたけんしん
ホームに着いた途端にだあーっと走っていくけんしん。
どんなに人がいても、何度注意されても、どんなにこっぴどく叱られても
けんしんはホームに着くたびに全速力で駆け抜ける。
想いがルールを上まる瞬間だ。
けんしんの行動にはワケがある。
1、けんしんはホームに着くと走る。
➡ホームの一番先から走り去っていく電車の冒険の続きを確認したい。
その後の空っぽになった線路の物悲しさも男として確認しておきたい。
2、券売機の使い方がよくわからなくて困ってそうなお年寄りには、
積極的に話しかける。
➡電車というスーパーイベントを、一人でも多くの人が楽しめるようにお手伝いしたい。
3、車掌さんにも話しかける
➡スーパーヒーローには少しでも近づいておきたい。握手できたら最高だ!
4、目的地には、一番時間がかかるルートでいく。
➡電車に乗ってる時間は長ければ長い方が良い!!
5、家族が車で行くって言ってもどこまでも一人電車でいく
電車が出発する時に、車掌さんがホームにいるけんしんに向かって
手をふってくれたことがある。
けんしんは一生懸命言葉を考えて
電車が出発してちょっと遠くはなれてから
「いつも運転ありがとう!!!!!!!!」と叫んだ。
頬を赤らめて嬉しそうに大声で叫んだ。
喜んだ犬のしっぽみたいに、ぶんぶん手を振り続けるけんしん。
振った手も声も相手には届いていないけど
なんだか私にはけんしんがうらやましい時がある。
旅行帰りに、特急電車が止まってしまったことがあった。
一時間半の道のりを各駅停車でまわらなきゃいけないとのこと。
三時間はかかるだろう。
乗客のいらだちで社内の空気が重くなっていく。
徐々にこちらも、不運を嘆きたいような気持ちになっていく。
状況を知った姉からメッセージが届く。
「けんしんがうらやましがってるよ。」
そっか、けんしんにとっては夢がかなった瞬間のようなできごとか。
すっかり得意な気持ちになって各駅電車に乗り込んだ。
テツの心は宇宙のひろさに気づいているんだと思う。

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